2024年大統領選の世論調査の現状⑧〜10日4日時点でハリスの勢いは頭打ち〜

2024年大統領選の世論調査の現状⑧〜10日4日時点でハリスの勢いは頭打ち〜

現地時間の11月5日(火)の投票日まで1ヶ月となり、期日前投票も始まった。ここでは、長らく続いていたハリスの勢いが頭打ちになっている10月4時点での世論調査を解説する。なお、9月19日時点の世論調査の分析はこちらを参照されたい。

今回の大統領選で注目されている州はどこ?

おさらいとなるが、アメリカの大統領選で勝利するためには、各州とワシントン首都(Washington, D.C.)に割り当てられている「選挙人」の過半数を獲得する必要がある

もっとも、大統領選の行方を決めるのは共和党と民主党の支持が拮抗してる「激戦州」であることから、ここでは次の地図にある7つの「激戦州」(水色)を中心に、その他6つの「注目の州」(オレンジ色)にも触れながら解説していく。(数字は当該州に割り当てられている「選挙人」の数)

これら州を激戦州と注目の州に選んだ背景については、こちらのハリスにとっての2つの勝利への道の解説を参照されたい。

【激戦州】

  1. ジョージア州(Georgia)
  2. アリゾナ州(Arizona)
  3. ウィスコンシン州(Wisconsin)
  4. ペンシルベニア州(Pennsylvania)
  5. ノースカロライナ州(North Carolina)
  6. ネバダ州(Nevada)
  7. ミシガン州(Michigan)

【注目の州】

  1. フロリダ州(Florida)
  2. テキサス州(Texas)
  3. ミネソタ州(Minnesota)
  4. ニューハンプシャー州(New Hampshire)
  5. オハイオ州(Ohio)
  6. アイオワ州(Iowa)

直近の世論調査はどんな感じなの?

アメリカの世論調査では生データが公開され、リアル・クリア・ポリティクス(Real Clear Politics(RCP))と呼ばれるサイトが大半の世論調査の平均の推移を追っている。

すべての「激戦州」におけるハリス対トランプの平均を9月19日時点の平均と比較してみよう。

10月4日時点9月19日時点2020年の結果
ジョージア州1.5%のトランプのリード0.7%のトランプのリード0.23%のバイデンの勝利
アリゾナ州1.7%のトランプのリード1.3%のトランプのリード0.31%のバイデンの勝利
ウィスコンシン州0.8%のハリスのリード1.1%のハリスのリード0.63%のバイデンの勝利
ペンシルベニア州同点0.2%のトランプのリード1.16%のバイデンの勝利
ノースカロライナ州0.6%のトランプのリード0.4%のトランプのリード1.35%のトランプの勝
ネバダ州1.1%のハリスのリード0.5%のハリスのリード2.39%のバイデンの勝利
ミシガン州0.7%のハリスのリード1.0%のハリスのリード2.78%のバイデンの勝利

「注目の州」の世論調査の平均も9月19日時点の平均と比較してみよう。(バイデンが撤退した7月21日以降に実施された調査のみを考慮)

10月4日時点9月19日時点2020年の結果
フロリダ州5.0%のトランプのリード5.0%のトランプのリード3.36%のトランプの勝利
テキサス州5.2%のトランプのリード4.5%のトランプのリード5.58%のトランプの勝利
ミネソタ州4.7%のハリスのリード5.4%のハリスのリード7.11%のバイデンの勝利
ニューハンプシャー州7.7%のハリスのリード7.7%のハリスのリード7.35%のバイデンの勝利
オハイオ州8.2%のトランプのリード9.0%のトランプのリード8.03%のトランプの勝利
アイオワ州4.0%のトランプのリード4.0%のトランプのリード8.20%のトランプの勝利

現状の世論調査はどう解釈すればいいの?

前回9月19日と比べて、ジョージア州、アリゾナ州、ウィスコンシン州、ノースカロライナ州、ミシガン州がトランプ寄りに、ペンシルベニア州とネバダ州がハリス寄りに変動しているが、大きな動きはない。

7つの激戦州のうち6つで1.5%以下の差であることから、許容誤差を考慮すると、大統領選は9月19日時点と変わらず混戦状態と言え、長らく続いていたハリスの勢いが頭打ち状態になったことは間違いないだろう。

ただ、激戦州の中で最も共和党寄りであるノースカロライナ州が拮抗していることは、他の激戦州でハリスが有利であろうことを示唆している。

また、ハリスは(許容誤差範囲内であるとはいえ)ミシガン州とウィスコンシン州でリードしており、ハリスはこの2つの州に加えて同点のペンシルベニア州で勝利できれば、こちらで解説したとおり当選する。

「注目の州」の世論調査も大きな動きはなく、アイオワ州が想定されるより僅差であること以外は、驚きはない。

全国的な世論調査はどうなの?

全国的な世論調査は、より多くの有権者を調査の対象にしていることから州レベルの調査より確度が高いため、こちらも見てみる。

10月4日時点の平均でハリスはトランプを全国的に2.2%リードしており、9月19日時点の2.0%から若干リードを広げている。

こちらで解説した通り、ハリスは全国的な得票率で2.2%リードしていても落選する可能性が50%近くあるので、このリードを以ってハリスが有利だとは決して言えない。

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