現地時間の2024年2月24日(土)(日本時間の2月25日の午前)にサウスカロライナ州で共和党の予備選が開票される。ここでは予備選で注目すべき事項、予想と今後の見通しについて解説する。なお、この記事はこちらの大統領候補指名争いに関する解説に目を通してから読むことをお勧めする。
現在、誰が共和党の指名争いに残ってるの?
次の2人が指名争いに残っている。
- ドナルド・トランプ前大統領(Donald J. Trump)〜アイオワ州党員集会で圧勝し、ニューハンプシャー州の予備選でも完勝したので、指名争いで共和党の指名候補になることがほぼ確実視されている
- ニッキー・ヘイリー元国連大使・サウスカロライナ州元知事(Nikki Haley)〜勝利できる可能性があったニューハンプシャー州の予備選でトランプに完敗し、指名候補になることは絶望的となっている
現状の世論調査はどのような感じなの?
最近の世論調査によると、トランプが30ポイント以上の差でヘイリーをリードしている。
圧勝モードだ。
サウスカロライナ州予備選の開票では、何に注目すればいいの?
もはや、トランプの得票率がどれほど伸びるか、ぐらいしか見どころはない。
ヘイリーは2011年から2017年までサウスカロライナ州の知事を務めていたことから、ここは彼女の地元と言えるが、この10年間で同州における共和党の思想は彼女のものと大きく乖離してしまった。
サウスカロライナ州の予備選におけるヘイリーの得票率は、地元票・同情票というより、共和党内の反トランプ票の指標となりそうだ。11月の本選挙でこの票がトランプでまとまるのか、それとも民主党に流れるのかが関心事になるかもしれない。
で、当日はどうなりそうなの?
トランプの圧勝は確実で、地元で惨敗したヘイリーは撤退するであろう。
ヘイリーが撤退すれば、トランプが共和党の指名候補になることは名実共に確実となる。多数の州が一斉に予備選・党員集会を実施するスーパー・チューズデー(Super Tuesday)前に指名争いに決着がついた大統領選は、近代では例がない。
サウスカロライナ州予備選後、ヘイリーが指名候補になれる可能性はあるの?
サウスカロライナ州予備選後、2月27日(火)にミシガン州の予備選、3月2日(土)にミシガン州、アイダホ州、ミズーリ州それぞれの党員集会、3月3日(日)にワシントンD.C.首都の予備選、3月4(月)にノースダコタ州の予備選、3月5日(火)にスーパー・チューズデーと続く。
たとえヘイリーがスーパー・チューズデーまで頑張っても、 彼女が指名候補になれる可能性は皆無である。
「初期の予備選」3つで接戦に持ち込められていればなんとかなったかもしれないが、アイオワ州と地元で惨敗し、ニューハンプシャー州でも完敗してしまっては、展望が開ける要素はない。