巨額の選挙資金があっても苦戦する共和党〜2026年中間選挙で広がる守りの戦い〜

2026年11月3日(現地時間)の中間選挙を前に、共和党側は巨額の選挙資金を武器に選挙戦を展開している。ドナルド・トランプ大統領を支援する政治団体だけでも数億ドルを抱え、激戦州に大量の広告を投入している。一方、民主党全国委員会は借金を抱えているものの、個々の民主党候補には多くの資金が集まっている。本稿では、両党の選挙資金を比較し、民主党側が資金をより効率的に活用できている理由と、共和党が従来の地盤を守るために巨額の資金を投入せざるを得なくなっている現状を解説する。

議員の株取引規制と有権者本人確認を組み合わせた法案が不成立に〜共和党が仕掛けた中間選挙に向けた政治的駆け引き〜

2026年9月30日(現地時間)、連邦議員の株取引規制に有権者本人確認の厳格化を盛り込んだインサイダー取引防止法案(Stop Insider Trading Act)が、連邦上院で審議を進めるために必要な賛成票を得られず、成立に至らなかった。本稿では、異なる2つの政策が1つの法案にまとめられた経緯を通じて、連邦下院議事運営委員会の強力な権限を解説する。そのうえで、この法案をめぐる共和党の政治的な駆け引きを、中間選挙との関係から見ていく。

2026年連邦下院選の情勢〜民主党が僅差で過半数を獲得する勢い〜

2026年11月3日(現地時間)の中間選挙まで1カ月半を切った。中間選挙の連邦下院選では大統領の政党が議席を減らすのが通常で、トランプ大統領の支持率が30%台に落ち込んでいるなか、共和党には強い逆風が吹いている。本稿では、連邦下院選で競争性のある選挙区が減っている背景を説明したうえで、2026年の連邦下院選において民主党が僅差で多数派を奪還できそうな情勢であることを解説していく。なお、連邦下院選と同時に行われる連邦上院選の情勢については、こちらの4回連載を参照。

高齢政治家が多いアメリカ〜その制度的背景と求められる健康情報の透明性〜

アメリカの政界では現在、ミッチ・マコネル(Mitch McConnell)連邦上院議員の健康状態をめぐり、議論が起きている。連邦上院の共和党トップを18年間務めたマコネルは約1か月前に入院したものの、健康状態に関する具体的な情報が公表されていない。2024年の大統領選で当時のジョウ・バイデン大統領が健康への懸念で撤退に追い込まれたのは記憶に新しく、現在、連邦議会では20人を超える議員が80歳以上である。本稿では、アメリカでは連邦議員が長く公職にとどまり続けられる制度的な理由を整理したうえで、制度改革が難しい背景と、本質的な課題が健康情報の透明性にある理由を解説し、日本にとってどのような意味を持つのかを考える。

連邦最高裁が「黒人多数派選挙区」に待った〜アメリカ政治を揺るがす新たな「区割り戦争」へ〜

4月29日(現地時間)、アメリカ連邦最高裁は、連邦下院における選挙区の区割りにおいて人種を考慮できるという従来の枠組みを変える判決を下した。この判決は既に11月の中間選挙の構図に影響を及ぼしており、中長期的にアメリカ政治の構造を大きく変える可能性がある。ここでは、今回の判決の背景を整理したうえで、なぜこの判決が特に南部に大きな影響を及ぼすのかを見ていく。さらに、去年夏にドナルド・トランプ大統領が引き起こした「区割り戦争」が、今回の最高裁判決によってさらに激化している状況を踏まえ、中間選挙への影響と今後の区割りの行方を考察する。最後に、日本企業への影響についても解説していく。

76日間続いた国土安全保障省閉鎖が終結〜分裂が露呈した共和党と限定的成果に終わった民主党〜

4月30日(現地時間)、76日間続いていた連邦国土安全保障省(通称DHS)の閉鎖は、DHSの大部分に資金を供給する法案が成立したことで終結した。ここでは、DHS予算の大部分が成立した一方で、国境警備・移民取締りに関連する部局の予算が未成立のまま残された経緯を解説する。また、最終的には分裂状態に陥った共和党が折れる形で予算が成立した一方で、民主党としても勝利を宣言できるほどの成果は挙げられなかったことを説明し、今回の一連の動きにおける日本企業への影響を解説する。

有力候補の撤退が生んだ連鎖〜カリフォルニア知事選と下院辞任ドミノの全体像〜

2026年11月に実施されるカリフォルニア州知事選では、民主党の有力候補だったエリック・スウォルウェル(Eric Swalwell)連邦下院議員が女性をめぐる疑惑で撤退に追い込まれ、その影響は複数の連邦下院議員の辞任連鎖につながった。知事選の仕組みと情勢を整理した上で、スウォルウェルの撤退の背景と影響を説明する。その上で、なぜこの問題が連邦下院議員の辞任ドミノにつながったのか、さらに日本企業への影響について解説する。

2026年の選挙結果が示す兆候〜共和党は中間選挙で上院・下院双方の過半数を失うのか〜

2026年に入ってから行われた連邦下院補選、州最高裁裁判官選挙、州議会補選では、共和党が大きく苦戦している。ここでは、それぞれの選挙結果を整理した上で、それが11月の中間選挙について何を示唆しているのかを解説する。具体的には、共和党は連邦下院で過半数を失う公算が大きく、連邦上院でも過半数を失う可能性が高まっている。

2026年連邦上院選の展望〜民主党の険しい道のり〜

2026年11月、アメリカでは連邦下院の全議席と連邦上院の1/3の議席が改選される中間選挙が行われる。ここでは、なぜドナルド・トランプの支持率が低迷しているにもかかわらず、民主党が上院で過半数を奪還するのが難しいのかを、注目される州の分析を交えて解説していく。

年末に連鎖したトランプへの反旗〜支持者・共和党・司法で進む求心力低下〜

2025年の11月から12月にかけて、ドナルド・トランプ大統領は政権発足直後には見られなかった種類の政治的摩擦に相次いで直面している。支持者・共和党内・司法といった、これまで政権を支えてきたはずの領域から生じている最近相次いだ4つの出来事を整理し、日本企業への影響を解説していく。