高齢政治家が多いアメリカ〜その制度的背景と求められる健康情報の透明性〜

アメリカの政界では現在、ミッチ・マコネル(Mitch McConnell)連邦上院議員の健康状態をめぐり、議論が起きている。連邦上院の共和党トップを18年間務めたマコネルは約1か月前に入院したものの、健康状態に関する具体的な情報が公表されていない。2024年の大統領選で当時のジョウ・バイデン大統領が健康への懸念で撤退に追い込まれたのは記憶に新しく、現在、連邦議会では20人を超える議員が80歳以上である。本稿では、アメリカでは連邦議員が長く公職にとどまり続けられる制度的な理由を整理したうえで、制度改革が難しい背景と、本質的な課題が健康情報の透明性にある理由を解説し、日本にとってどのような意味を持つのかを考える。

民主党版MAGAは誕生するのか〜予備選が映し出した「反主流」の波〜

2026年6月に実施されたニューヨーク州とコロラド州の民主党の予備選で、民主社会主義を掲げる候補者が民主党の現職議員を相次いで破ったことで、「民主党が左傾化しているのではないか」という議論が起こっている。しかしこれは、民主党内の思想的変化というよりも、2016年大統領選以来続いてきた民主党支持者の党執行部に対する不満が、2024年大統領選での敗北によって顕在化したものと考えられる。ここでは、ニューヨーク州とコロラド州での選挙の結果を手掛かりに、2016年から続く民主党内の対立を解説し、これが民主党版のMAGA運動につながるかを検討していく。

新書3冊が明かすバイデン前大統領の健康の衰え〜隠されていた深刻な事実〜

2025年4月から5月にかけて2024年大統領選に関する本が3冊立て続けに出版され、ジョウ・バイデン前大統領の健康がこれまで知られていたより遥かに衰えていたことが判明した。ここでは、3冊の本が明らかにした事実の一部を紹介し、なぜ今になってこれら事実が判明したのかやバイデンが大統領としての職務を果たせていたのかなどについて解説していく。

ニューヨーク市長の起訴取り下げ騒動〜司法省で辞任ドミノが発生した背景〜

現職ニューヨーク市長の起訴の取り下げを巡って7人もの検事が辞任し、アメリカ連邦政府の司法省が荒れている。なぜトランプ政権が民主党所属の市長の起訴を取り下げたのか、なぜ不法移民対策が関係しているのか、そしてなぜ辞任ドミノが起こったのかについて解説していく。

バイデン前大統領とトランプ大統領による恩赦〜歴史的な恩赦の背景〜

ジョウ・バイデン前大統領とドナルド・トランプ大統領が多数の有罪判決者に対して恩赦を与えたことが物議を醸している。バイデンおよびトランプが誰に対して恩赦を与え、それがどのように評価されているかについて解説していく。

日本製鉄によるUSスチールの買収〜訴訟提訴とトランプ大統領就任でも絶望的〜

ジョウ・バイデン前大統領にUSスチールの買収を拒否された日本製鉄は、2025年1月6日、アメリカ政府を提訴した。ドナルド・トランプが大統領に就任した今、日本製鉄が訴訟で勝利したとしても合併が成立するのはぼぼ絶望的であることを解説していく。

データで見るハリスの敗北①〜「オバマ連立」の崩壊〜

今回の大統領選におけるハリスの敗因は、2008年と2012年のバラク・オバマ(Barack Obama)の勝利の基盤となった「オバマ連立(Obama Coalition)」が崩壊してしまったことである。「オバマ連立」とはどういうものなのかを説明した上で、今回どのように崩壊したのかを出口調査のデータをベースに解説していく。