アメリカでは、州ごとの選挙結果が民主党か共和党のどちらか一方に揃う傾向が強まっている。ここでは、州単位で行われる大統領選と連邦上院選の結果を基に、アメリカで進む州レベルでの選挙結果の一致を解説していく。
アメリカの選挙結果の一致はどのように表れているの?
アメリカの大統領、連邦上院議員、連邦下院議員はそれぞれ別の選挙で選ばれるため、有権者は大統領には民主党、連邦上院議員には共和党というように、選挙ごとに異なる政党の候補へ投票することができる。
だが、実際の選挙結果を見ると、近年は各州における選挙の結果が民主党か共和党のどちらか一方に揃う傾向が強くなっている。大統領選では同じ党が何回も連続して勝つ州が多く、2人の連邦上院議員や大統領を異なる党から選ぶ州も大きく減った。
大統領選ではどれくらい長く同じ党が勝ち続けているの?
アメリカの大統領選では、州ごとに投票の結果が集計され、それぞれの州でどの候補が勝ったかが決まる。このため、選挙ごとに州の勝者を追っていくことで、民主党と共和党のどちらがその州で勝ち続けているかを見ることができる。
各州でいつから同じ党が勝ち続けているかをまとめたのが次の図である。

50州のうち半数を超える28州では、少なくとも1992年大統領選以降、同じ党が勝ち続けている。1996年大統領選から続いている州が1州、2000年大統領選から続いている州が6州あり、合わせると全体の7割である35州で、少なくとも7回(2000年大統領選から)連続して同じ党が勝っている。
2024年の大統領選では、2020年に民主党が勝った6州で共和党が勝利した。だが、この6州を除く44州では、同じ党が少なくとも3回(2016年大統領選から)連続して勝っている。大統領選の結果が選挙のたびに変わる州は限られており、大半の州で民主党か共和党のどちらかが長期間にわたって勝ち続けていることがわかる。
連邦上院で異なる党の2人を選ぶ州はどこまで減っているの?
連邦上院では、各州から2人の議員が州単位の選挙を通して選ばれる。2人の任期はずれているため、同じ州の有権者が民主党と共和党の連邦上院議員を1人ずつ選ぶことができる。かつては2人の連邦上院議員の党派が分かれている州が数多くあったが、近年は大きく減っている。
その長期的な変化を示したのが次の図である。

注:各議会期の開始時点で集計。無所属議員は所属する会派に基づいて分類
1979年には、50州のうち27州で2人の連邦上院議員の党派が異なっていた。その後1994年までそのような州が20を下回ったことがなかったが、その後は減少傾向にある。特にドナルド・トランプが共和党の大統領候補となった2016年以降その傾向が目立ち、2015年には14州だったのが、2017年には12州、2019年には9州、2021年には6州まで減少した。2025年には3州だけになり、これは連邦上院議員が直接選挙で選ばれるようになった1914年以来、最も少ない。
大統領選で同じ党が長期間勝ち続ける州が多くなっているのと同様に、連邦上院でも州の代表が1つの党に揃う傾向が強くなっている。
大統領選と同じ年に実施される連邦上院選で、大統領と異なる党の上院議員を選ぶ州はどこまで減っているの?
大統領選の年には3分の1の連邦上院議員が改選を迎えるため、大統領選と同時に約33の連邦上院選が実施される。同じ時に行われる大統領選と連邦上院選で異なる党の候補が勝利するのも、近年は大きく減っている。
同じ選挙で異なる政党の候補に投票することはスプリット・チケット投票(split-ticket voting)と呼ばれる。その表れ方の一つとして、大統領選と同じ年の連邦上院選で勝者の党が異なった州の数の変化を示したのが、次の図である。

注:同じ州で複数の連邦上院選が行われた場合も1州として集計。無所属議員は所属する会派に基づいて分類
1970年代から1980年代にかけては、大統領選と連邦上院選で異なる党が勝つ州が10数州あるのが普通だった。しかし、1990年代に入ると減少傾向が見られるようになり、2000年代には一桁台にまで減った。そして、トランプが大統領に初当選した2016年には、大統領選と連邦上院選で異なる党が勝った州がとうとうなくなった。
2024年は4州まで増えたが、90年代までと比べれば相変わらず少なく、大統領選と同時に行われる連邦上院選で結果が同じ党に揃う傾向が強まっている。
大統領選と連邦上院2議席が揃わない州はどこまで減っているの?
直近の大統領選の勝者と2人の連邦上院議員3人が同じ党ではない州も大きく減っている。ただ、昨今でも、上院2議席が同じ党に揃っていながら大統領選では別の党が勝つ州が少なからずある。
長期的な変化を示したのが次の図である。

注:各大統領選直後に始まる議会の開始時点で集計。無所属議員は所属する会派に基づいて分類。
1970~80年代には、直近の大統領選の勝者と2人の連邦上院議員の党派が一致していない州は40州弱あり、大半の州で3つが同じ党に揃っていなかった。だが、その後不一致の州は減少し、1990年代には半数の25州を下回るようになった。
トランプが共和党の大統領候補となった2016年にはさらに13州まで減り、2020年には6州にとどまった。2024年は7州とわずかに増えたものの、トランプが台頭した2016年以降、非常に少ない水準が続いている。
上述したとおり、2025年時点で2人の連邦上院議員の党派が分かれているのは3州だけである。ただ、大統領選の勝者まで加えると、同じ党に揃っていない州は7州まで増えるため、連邦上院2議席だけを比べた場合より若干多くなる。