トランプ大統領が掲げる「選挙の公正性」〜州政府との対立から読み解くアメリカの選挙制度〜

2026年7月16日(現地時間)、ドナルド・トランプ大統領は11月の中間選挙に先立ち、「選挙の公正性(election integrity)」を政権の最重要課題の一つとして位置付ける全米向けの演説を行った。しかし、アメリカでは大統領選挙や連邦議会選挙であっても実際に選挙を運営するのは州政府であることから、大統領が選挙を完全に管理することはできない。本稿では、トランプ大統領が「選挙の公正性」を前面に打ち出した背景を出発点として、まずアメリカの選挙における州政府と連邦政府の役割分担を整理する。次に、有権者登録名簿をめぐるトランプ政権と州政府の対立を説明した上で、今回の演説と中間選挙との関係、そして日本への影響を解説する。

共和党上院議員の間で広がるトランプとの対立〜「逆らえない時代」は終わるのか〜

2026年6月、連邦上院の共和党議員の一部がトランプ政権に対して公然と対立する事例が相次いだ。その動きは法案や人事など多岐にわたる分野で見られており、引退を決めた議員、すでに予備選で敗北した議員、そして11月の中間選挙で厳しい選挙を控える議員を中心に起こっている。この傾向が続けば、2016年以来の「共和党議員はトランプに逆らえない」というアメリカ政治の前提が変化することになる。ここでは、なぜ今になって共和党上院議員がトランプに異議を唱え始めているのかを整理した上で、この動きが今後どこまで広がるのかを考える。

大統領はどこまで行政を支配できるのか〜連邦最高裁が迫られる歴史的判断〜

連邦最高裁は2026年6月中に、アメリカの行政の仕組みを大きく変える可能性がある判決を下す見込みである。表面的な争点は、大統領が独立執行機関の委員を自由に解任できるかという人事上の問題である。だが、本質的な争点はそれに留まらない。問われているのは、アメリカ連邦政府の行政を大統領がどこまで支配できるのか、そして「独立執行機関」という仕組みを今後も維持できるのかという、行政国家の根幹に関わる問題である。ここでは、具体的な争点を整理したうえで、独立執行機関における解任制限の意味、連邦最高裁がそれを違憲と判断した場合の影響、そして日本企業への影響について解説する。

トゥルシー・ギャバード国家情報長官の辞任〜何か月も前から予測されていた理由〜

2026年5月22日(現地時間)、トゥルシー・ギャバード国家情報長官は、6月30日付で退任すると発表した。ギャバードの退任が数か月前から取り沙汰されていた背景、今後更迭される可能性がある主要閣僚、そして今回の辞任が日本企業に与える影響について解説する。

元FBI長官コミー再起訴〜トランプ政権下で進む司法省の政治化〜

2026年4月28日(現地時間)、アメリカ連邦捜査局の元長官ジェームズ・コミーが大統領に対する脅迫の疑いで起訴された。トランプ政権の下でのコミーの起訴は2025年9月に続いて2回目である。ここでは、コミーがなぜ繰り返しトランプ政権下で訴追されているのかという背景を整理した上で、今回の事件で有罪が成立する可能性は低いと考えられる理由を説明する。また、この一連の動きにある政治的意図と、日本企業への影響についても解説する。

労働長官チャベス=デレマーの更迭〜中間選挙を前に「内閣改造」局面に入ったトランプ政権〜

2026年4月20日(現地時間)、連邦労働長官ロリ・チャベス=デレマー(United States Secretary of Labor Lori Chavez-DeRemer)が、ドナルド・トランプ大統領によって事実上更迭された。ここでは、その背景とトランプ政権が中間選挙を見据えた「内閣改造」のフェーズに入ったことの意味を解説する。

ボンディ司法長官の更迭〜エプスタイン問題と政治化する司法省〜

4月2日(現地時間)、ドナルド・トランプ大統領はパム・ボンディ(Pam Bondi)連邦司法長官を更迭した。ボンディ更迭の理由を整理したうえで、これまでの路線を踏襲する後任人事と、トランプ政権のもとで政治色が強まるアメリカが日本企業に与える影響について解説する。

国土安全保障省閉鎖で空港の保安検査が4時間待ちに〜議会対立の背景とトランプの対応〜

アメリカでは、連邦国土安全保障省(通称DHS)の年度予算が成立していないため、職員への給与が支払われず、空港での保安検査の待ち時間が4時間を超える事態が生じている。3月27日(現地時間)、連邦議会は予算を成立させることができなかったため、ドナルド・トランプ大統領は大統領令により職員への給与支払いを再開する措置を講じた。DHSが閉鎖状態にある背景を整理した上で、議会が膠着状態に陥っている理由とトランプが大統領令を通じて給与を支払うことができる理由を説明し、今後の展望や日本企業への影響を解説する。

長期化するイラン戦争〜開戦の背景とアメリカ政治の行方〜

2026年2月28日(現地時間)に開始したアメリカとイスラエルによるイラン戦争は、3週間目を迎えた。まず、戦争が起こった背景と理由を整理する。その上で、ドナルド・トランプ大統領がイラン戦争を行える権限、アメリカ国内でこの戦争がどのように受け止められているのか、さらに戦争の今後の行方と日本への影響を解説していく。

ノーム連邦国土安全保障長官の更迭〜移民取締の混乱と議会証言が引き金に〜

2026年3月5日(現地時間)、ドナルド・トランプ大統領は連邦国土安全保障長官クリスティ・ノームを更迭し、後任としてオクラホマ州選出の連邦上院議員マークウェイン・マリンを指名すると発表した。ノーム更迭の背景を説明した上で、この人事が国土安全保障省とトランプ政権に与える影響を解説し、日本人や日本企業への影響を整理していく。